核ミサイル 2012 7 29

書名 東京に弾道ミサイル! 核災害で生き残れる人、生き残れない人
著者 高田 純  オークラNEXT新書

 「永田町から首都の壊滅を見ることになるとは。
これが1945年以来、平和を希求してきた日本の結末なのか!」
 地下鉄の通路を駆け上がって急いで地上へ出た、
政治部記者の平岩は絶句した・・・・・。
国民保護警報が鳴り始めてから、わずか1分後だった。
 20キロトンの核ミサイルが、
赤坂にある全日空ホテルの上空600mで爆発したのである。
 イージス艦は、20発のミサイル発射を確認。
そのうち、10発が弾道ミサイル。
残り10発のミサイルは、巡航ミサイルで、
日本海に展開していた日米の艦船に向かった。
 最高高度300kmから放物線を描いて落下する核弾頭を含む再突入体は、
速度をぐんぐんと増し、音速の8倍となって大気圏に突入してきた。
 市谷にいた部隊は、天空から高速で落下してくる10個の再突入体へ向けて、
16発の迎撃ミサイルを、次々に発射した。
 しかし、もととも個々の命中率が10%以下と低い上に、
敵の弾道ミサイルが近距離から発射されているために、
迎撃の時間が極端に限られていること、
さらに多数のおとりの再突入体のために、
自衛隊の迎撃は失敗に終わった。
(以上、引用)
 「1945年以来、平和を希求してきた」と言うけれど、
その間に、日本は、核武装国家に囲まれてしまったと言ってよいでしょう。
 後世の人たちは、
「日本は、平和ボケで、ぼんやりしていた。
だから、また被曝国になってしまった」と言うでしょう。
 現在、国民の間には、
「日本は、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だ」という、
またもや安全神話に浸りきっていますが、
それは、自分の見たい部分だけを見て、
見たくないものは見ないという少女漫画の世界と言ってよいでしょう。
 何度も何度も書いていますが、
ミサイル防衛システムは、技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
 最も実用的で、結果的に安上がりな対応策は、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、
自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
少なくとも巡航ミサイルは開発すべきでしょう。
 さて、この本では、導入部分は、小説風になっていますが、
第1章以降は、学術的なものとなっています。
 しかし、一般の人にもわかりやすく書いてあります。
それは、核爆発の際の「生き残りマニュアル」となっているからです。
 さて、中東において、
核武装国家に囲まれるのではないかという、
将来の不安を感じているイスラエルは、どうしているのか。
 イランが核武装すれば、エジプトも、サウジも、トルコも、
次々と核武装を始めるでしょう。

SLCM 2012 4 1

書名 ニューズウィーク日本版 2012 4 4

 今日は、風雲急を告げる中東情勢を取り上げましょう。
まずは、引用から始めましょう。
「中東核戦争、今そこにある危機」
 (イスラエルの地中貫通爆弾バンカーバスターを使った)
空爆により地下施設を完全に破壊できないとしても、
(この問題を)放置するよりはましだと、
イスラエルが(空爆を)考える可能性はないのか。
 (イスラエルが)核ミサイルを潜水艦から発射して、
地下施設のある山ごと吹き飛ばそうとする可能性はないのか。
 イラン攻撃をめぐる議論では、
イスラエルの潜水艦の存在が、ほとんど無視されている。
 イラン中部フォルドウの山中にあるウラン濃縮施設を攻撃するなら、
潜水艦から核弾頭付き巡航ミサイルを発射する方が、
ずっと効率がいい。
 しかも報道によれば、
イスラエルは核巡航ミサイルを既に保有している。
 イスラエルは、ドルフィン級潜水艦を少なくとも3隻保有し、
そのすべてが核巡航ミサイルを発射する機能を備えていると言われる。
 さらに、ドイツでは、
イスラエルが購入予定の最新鋭潜水艦2隻(あるいは3隻)が建造中で、
いずれも長距離弾道ミサイルを装備できるという。
 「(確証はないものの)イスラエルが、
核弾頭装着可能な巡航ミサイルを潜水艦から発射し、
約1500キロ先の標的に命中させる実験を行ったとの報道がある」と、
情報筋は指摘する。
 「(イスラエルの港湾都市)ハイファから、
イランの国境までは、約1000キロだ」
(以上、引用)
 日本では、イスラエルによるイラン攻撃の可能性としては、
F15戦闘機などによる空爆の可能性ばかり報道しますが、
なぜか、イスラエルの潜水艦による巡航ミサイル(SLCM)の可能性は報道していません。
 軍事的な効率を考えれば、
戦闘機による空爆よりも、潜水艦による巡航ミサイルの方がよいと判断するでしょう。
しかも、核弾頭付き巡航ミサイルになる可能性があります。
 ここで多くの日本人が思うのは、
「核兵器は、もはや使えない兵器になったのではないか」ということです。
 しかしながら、そういう考え方は、世界標準ではありません。
確かに、大陸間弾道ミサイル(ICBM)は「使えない核兵器」となりましたが、
戦術核兵器や戦域核兵器は、依然として「使える兵器」です。
(戦術核兵器は、通常兵器の延長線上での使用を想定した兵器と言われています)
 さて、アメリカは、どう考えるか。
これは、このサイトでも書きましたが、
イランに核武装を認めると、
サウジアラビアにもトルコにもエジプトにも核武装を認めることになるでしょう。
つまり、中東諸国が次々と核保有国になってしまいます。
 さて、もうひとつ引用しましょう。
「イランを統治する宗教指導者の中の有力な一派は、
イスラム教シーア派の終末論的な教えを信じていると言われる。
 その教えによれば、
世界が大惨事に見舞われて初めて、
『隠されたイマーム(指導者)』が再臨し世界を救うという。
 つまり、イランの一部指導者は、
たとえ国民全体が命を失うことになったとしても、
核戦争を望む可能性があるのだ」

























































































































スマートフォンのトップページへ